◎はじめに
東京で8年続けてきた文字塾を、2022年4月から長野県松本市に場を移して「松本文字塾」として再開しました。今回はその四期目(2025年4月~2026年3月)に当たります。仮名書体を作ってみたいと思う方は是非ご応募ください。
【文字塾について】
一年をかけて自分の仮名(平仮名、片仮名)をつくり、フォント化して、その成果を展示会で発表するという塾です。
日本語フォントを作ろうとすると、漢字・平仮名・片仮名・アルファベット・記号など、最低でも約1万字を制作しなければなりません。一年という期間の中で、個人で実現するのは不可能と思われるので、この塾では平仮名・片仮名にしぼって制作します。
日本語表記において、平仮名・片仮名が約6割以上を占めるなど、新しい仮名を利用することで、まったく新しい組版イメージを得ることができます。そのうえ日本で生まれたわが国固有の文字である仮名について学ぶことはとても意味のあることだと思います。
今期文字塾でも、例年どおり手で書くことを前提としながら、明朝体の仮名を作ることを基本に指導をしていきます。ただし明朝体以外の仮名書体に挑戦したいという希望があれば、可能な限りサポートはします。
文字塾では自分の仮名書体を作るだけにとどまらず、文字そのものの歴史や活字の歴史、活字の構造、書体デザインの考え方などにも踏み込んでレクチャーします。その中から良いデザインとは、自分らしい書体とはどういうものなのかを探り出せたら良いと思います。私はそのお手伝いをする立場です。初心者・プロを問いませんが、一年間、自分の感覚と真摯に向き合い、自分の文字を探求する粘り強さを期待します。
塾は、毎月一回の全12回です。この時間だけではおそらく完成しないので宿題も多くなるはずです。したがって、ある程度自由な時間を確保できる方が望ましいと考えます。
なお、私はコンピュータについてはあまり詳しくないので、フォント化の方法については最小限の指導にとどまります。足りない部分は塾生のみなさんの力を借りての実施となりますのでご了解ください。
【応募資格】
・多くは宿題になるので、ある程度時間に余裕があること
・Adobe Illustrator を使えること
・ノートパソコンを持参できること(Mac/Windowsどちらでも可)
・10月頃から、各自、フォント生成アプリケーション(Glyphsなど)を用意する必要あり
・メールアドレス/氏名・ふりがな/年齢/職業/使用PC/支払い方法(一括か4回の分割か)/志望動機を〈申し込みフォーム〉に記入し、課題のスケッチ画像ファイルをアップロードしてください
*明朝体以外の仮名を作りたいと思う方は、連絡欄にその旨をお書きください
【課題】
仮名文字を2種類書く(各1字ずつ)
1. 既存の書体(ヒラギノ明朝、游明朝、MS明朝など)の「あ」を、マネて書く(重ねて写しとるのは不可)
2. オリジナルの明朝体の「れ」を書く
・市販の1ミリ方眼紙を使い、鉛筆で5センチの枠の中に書く。文字は輪郭を明確に黒く塗りつぶす
・課題のスケッチ画像ファイルは〈申し込みフォーム〉からアップロードしてください
*ファイル名は英字表記で氏名がわかるように付けてください(例 :「name.pdf」)
*PDF(または JPG)形式で容量は10MB以内としてください
■募集期間:2025年3月8日(土)~3月20日(木・祝)
■発表:合否は 3月31日(月)までにメールにてお知らせします
■定員:13名程度(応募者が5名に達しない場合は実施しません)
■受講料:120,000円/年間(展示会費用も含みます)
・一括支払いの場合:4月14日(月)までにお振込みください
・4回の分割の場合:4月14日(月)/7月14日(月)/10月14日(火)/2026年1月13日(火)
*自己都合により途中退塾した場合、入金された受講料については返金いたしかねますのでご容赦ください
*振込口座は合格通知といっしょにお知らせいたします
■開催場所:マツモトアートセンター 2階スペース
〒390-0874 長野県松本市大手1-3-32 笠原ビル
URL:http://matsumoto-artcenter.com
*都合により会場が変更になる場合があります。その場合は事前にメールでお知らせします
■日程:下記の土曜日(13:00~17:00)
① 4/26(土)
② 5/31(土)
③ 6/28(土)
④ 7/26(土)
⑤ 8/30(土)
⑥ 9/27(土)
⑦ 10/25(土)
⑧ 11/29(土)
⑨ 12/20(土)
⑩ 2026/1/31(土)
⑪ 2/28(土)
⑫ 3/28(土)
■申し込みフォーム:「松本文字塾」第四期塾生申し込みフォーム ※受付を終了しました
■塾長:鳥海修:1955年生まれ。游書体ライブラリー、ヒラギノシリーズなど100書体以上の制作に携わる。著書『文字を作る仕事』(晶文社)、『明朝体の教室』(Book&Design)、共著『本をつくる』(河出書房新社)。2022年、個展「もじのうみ」開催(京都dddギャラリー)。
–以上